会 場 大雪山国立公園
動 物 編
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ガイド役 三本足の北キツネ ”ゴンタ ” オッハヨォ! あれっおめえきのうの・・・、新得トムラウシ温泉から入山しオプタテへの分岐、南沼で出会ったゴンタ君だ。途上多くのキツネたちと出会ったがこのゴンタの表情はどこか違っていた。 |
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一夜明けた北沼にまで来てた、オレは声をかけた ”まさかおめえトムのテッペンさ案内すうわけじゃあんめい”ゴンタ君の表情は反対に ”忘れもんないように、はよういくべェ”と言わんばかりで準備を急かされているようであった。 頂上までは踏み跡はあるものの、いつも大きな岩ゴロに遮られ苦労する。歩き出すとゴンタも一緒に腰を上げた ”あれッこいつどこさいく、ついてくんか”とオレは言った。ついて来るどころか先へ先へと、それも振り返っては座り込み、近づくと歩き出す。見えなくなったと思うとカーブの岩かげで待っていて見上げられた ゴンタの後をついていくと足場を選ぶ必要がなかった、幾度も岩陰で待っていた、退屈であったのか身だしなみをを整えている場面もあった。”おめえ三本足のくせずいーぶ早いんでねーか”とオレはいった、だがおかまいなしに腰を上げ先を行く、おかげですんなりと頂上へ着くことが出来た。とりあえずはゴンタに”ありがとう”といった。 |
ザックを下ろし汗を拭きながらゴンタに声をかけた、反応を感じない、どこさいった? 誰もが景色にほだされてゴンタの去っていくのに気がつかなかった、見渡したがもはや視界にはなかった。 三年後ある山好き仲間の話を耳にした。”去年トムラウシで三本足のキツネに頂上まで誘導されたさ”ということを聞かされた。やはり物乞いではない、なんで?、やむなくあの足首切断の際、出血多量で苦しんでいるのを、通りがかった登山者から相当の手当を受け、元気を与えられ恩義を感じたお礼なのか。また元気に回復した己を見せんとて、その登山者の面影を求めて再会を待ち望んでいたものなのか・・・。 それ等はゴンタ以外誰も知らない、そして案内されたのもどれ程の人達がいたものか、その後幾度かこの山へ行ったが、誘導された北沼から頂上への、あのゴンタ街道を迷わずに歩くことはできなかった。 15年も前のことであったが、あの表情は脳裏に焼きついている。 1988年8月18日のことだった。 ▲目次へ |
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大雪山、そこは絢爛と咲き誇る花々の楽園と共に、多くの小鳥たちがリズミカルに美声を競い合う楽園でもある、そんな中でちょっと外れたさえずりに視線を向けた、ハイマツの上でギンザンマシコのつがいが戯れていた。 |
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いつも火山ガスの洗礼を受け、植物は生存が不可能なのか一面火山礫の山頂であった。月面もこうなのだろうか、時折吹き上げてくる硫黄のような異臭を感じながら荒涼とした足元へザックを下ろし汗を拭いていた。 |
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新鮮な森林浴を求めて、芽吹きはじめたある郊外に脚を運んでみた。多くの小鳥の声の中で耳を疑った、ドラミングである、それも間近で、やがて鳴き声と共に大きなものが視界を横切って行った。まさかこんなとこで・・・その声はまぎれもなくクマゲラである。鳴き声から相手もいるだろうと判断してその方向へ回ってみた、巣穴をあけられた大木に雌が(雌雄の判別は分からないが)いて小さな声を出しながら木肌を歩き回っていた。 信じられないが事実である、雄が巣穴を離れて行った、後を追ってみてこれまたオドロキである、いつからやっていたものか、写真のように電柱の穴開け作業に熱中していた。 この場所はクマゲラの保護の意味からも、巣穴をあけられた樹木の写真も含めて秘めておきたいものである。 |
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深い沢の落ち込んだ手前に立っていた、対岸?の斜面の高いところで黒いものが動いているように見えた、大きな声を出してからだごと手を振った。 |
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弟は不満げに小さく、鼻をヒイヒイならしていた。
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大きなトンボが音もなくホバリング、大きな波紋を描き懸命の産卵作業?、次世代への子孫承継へと義務を果たす。オオルリボシヤンマ |
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アーチ橋探索と撮影のため初めてのカンジキを、試行錯誤でつけようとしていた。なにか視線を感じて顔を上げた、5〜6頭の鹿が見ていた、なんとかカンジキをしばりつけ歩き出した。3月の積雪は表面は固く見えても底からくさっていた、カンジキをつけていても力の加減で大きな穴となり埋まった。 |
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8月下旬の早朝、走り慣れた国道273号線で見た子鹿の衝突事故である。予想どおりに左後部をやられていた。
まさか前項のおなかのバンビでなければ・・・・ |
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釘で打ち止められた表示板、そこには「樹木を愛しましょう」と書かれていた。表示板に雨水の浸入を防ぐ庇?なのか、この表示板を誰にも渡さんとして、両腕で抱え込んでいるかのようにも見えるが?。いずれにしても大雪山国立公園の中、すべてのものの持ち出し禁止区域内で、見出したひと駒をカメラで持ち帰ったものである。 |
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B. オイ早く歩けってょ A. そんなに急いでどこさ行っか B. もたついてっと後ろから熊に喰われるぞ A. 賞味期限満了だで避けてくべさ B. 賞味期限切れたら次は発酵だ、いい匂いでなおさらあぶねーぞ A. 発酵?そんなことぁとーに終ったさ、今は腐敗の入り口だ見向きもしねーって B. そーかそんじゃもう少しでオレみてーにムキムキになんだな A. そーゆうこった、これからぁ身ぐるみ軽くなるって、目的なしの本能だけだ、のんびり行くべーよ B. そうか医者を嫌って70余年も歩き続けたもんな、ここさ来て急ぐことねーか、もうすぐ峠も見えっと A. 峠になにあんだや B. ハーテなんだべ、峠があっことだけは間違いねーな、前さ見えるもんな A. あっこまでなんぼかかんだや B. いきゃわかっぺ、途中深い谷があっかもしんねーな少し休むべか A. 休むこたーねーさ休むとろくたことねー、おらぁの行く道だ人様に迷惑かかんねーよーゆっくし行くべーって B. そうだなぁのんびり何かを見っけながら風太郎みてーに行っかぁ、あっこまではまだ30年はかかっとよ A. ええってことよ峠とゆう目的のためだべ時間なんか問題じゃねーって B. そーゆうこったな、歩けっことさ感謝しいし行くべーか、だがあんまり離れんなや A. そんだべやそーゆうこったで、おらーだってとしだ、だてに年とってねーんだ、あんまり早く行くなって、元気に感謝感謝どっこらよっと |
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A. 高齢の風太郎
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B. 自称元気な無名の老人
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B. それはそうと峠から先は下りばかりで大変だべ、登りも少しはあっか A. ええってことよ、時代が時代だパラグライダーで鳥になるさ B. オレはどーすんだょ A. 一緒にとぶさ、先のこたぁ心配しんなぁ B. 重過ぎてドスン地獄行きだべや A. それとも軽くて上へ上へと天国かもよ、いずれにしても先のことは分んねぇ、ケッセラセラってな |
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